薄明の光彩+クレプスキュールの光芒

薄明の光彩

 三谷幸喜が監督した「ザ・マジックアワー」という映画があります。「マジックアワー」という用語はもともと撮影の専門用語で、日出の直前と日没の直後、光源としての太陽が存在しない約数十分の状態のことをいうそうです。光源となる太陽が姿を消しているため自然環境としては限りなく影の無い状態が作り出されるわけです。
 まあ、撮影の用語なので夕方の場合日没後だけを指すようですが、世界が最も美しく見える時間帯という意味では日没前後の時間帯こそ「マジックアワー」と呼ぶべきだと個人的には思います。その時間帯こそ僕が「蒼い時」とか「おうまがとき」と呼んできた時間帯です。
 前置きが長くなりましたが、要するにこれまで何度も載せてきた夕景写真をまた載せようというわけです。「おうまがとき」シリーズに入れても良いのですが、写真の数が多いので、「薄明の光彩」と題して独立させることにしました。
 撮影は6月23日。場所は塩田の一大田園地帯の一角十人(じゅうにん)です。もちろん住人は十人以上いますが、面積の大部分を占めるのは田んぼです。
 3枚の写真とも西側を撮っています。1枚目は用水路と田んぼの水の反射を意図的に入れて撮りました。空の色を映してきれいだからですが、3枚目と比べた時もう一つ別の効果があることに気付きました。3枚目の場合、田んぼの水がわずかしか写っていないので地上部分が暗くなっています。それに対して1枚目は水鏡の部分が大きいので明るく見えています。もちろん1枚目の地上部分が明るいのはそれだけではなく、1枚目の方が地上部分をより広く取っているからでもあります。空が明るいので地上がその対比で暗く写るわけですが、空の面積が狭くなるほど地上部分は明るく写るわけです。
 2枚目は空の部分を思い切って広く取った写真です。地上はさらに暗くなってシルエットと化しています。空に描かれた茜色に輝く雲の造形が何とも美しい。
  3枚目は空と地上部分の比率を4対6くらいにして撮ったものです。上下二つの世界にくっきりと分かれています。地上部分には人家の燈火がうっすらと見えます。空と地上の二つの光を楽しむ1枚目、天体ショーを楽しむ2枚目に対し、3枚目は人々が家路を急ぐ夕餉の時を感じさせます。

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 1枚目は手前の田んぼを大胆に大きく取ってみました。夕空を映した田んぼがこれほど美しいことを、恐らく多くの人は知らないと思います。もったいないことですね。
 2枚目と3枚目は茜雲を撮りました。特に3枚目の写真は「光彩」というタイトルにふさわしい。いや、むしろ「紅彩」という字を当てたい感じです。

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 茜空を田んぼだけではなく、ため池にも映してみたくなり中野前池へ行きました。最初の2枚は中野前池で撮ったものです。1枚目は池の水面だけを撮ったもの。岸が斜めに曲線を描いて画面を横切っており、結構大胆な構図だと思います。2枚目は池越しに北西側の空を撮ったもの。
 3枚目はまた田んぼに空を映した写真です。稲穂が作る縦の線が面白い文様をなしています。

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 1枚目は田んぼの美しさに目を引かれます。肉眼では空の色の方が鮮明なのですが、写真では明るく写りすぎて白っぽくなっています。
 2枚目は逆に地上が肉眼で見た以上に暗く写っているので、空の茜色が鮮やかに際立っています。そのコントラストが魅力です。
 3枚目は女神岳の斜め上にかかっている雲の形が魅力的でした。その雲がよりくっきりと写っている写真もあったのですが、こちらの方が手前の田んぼが鮮やかで、全体も明るく写っているので選びました。

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クレプスキュールの光芒

 CD・DVD・レコード販売店「新星堂」は二重の意味でゴブリンと縁が深い店です。独自のレーベル「オーマガトキ」を持ち、ベルギーのレーベル「クレプ スキュール」と提携しています。この二つのレーベルの作品はなかなか手に入らないのです。特に「オーマガトキ」の作品は大好きで、見かけると即買っていま した。今ではCDやDVDはほとんどネットで買っていますが、7、8年前までは中古店を定期的に回っていたものです。月に1回は長野まで足を伸ばし、中古 CD店を回った後、駅前の新星堂にフラッと入って「オーマガトキ」作品をあさったものです。
 このように「新星堂」とは音楽的縁が深いのですが、 もう一つの縁があります。もうお分かりでしょう。キーワードは「オーマガトキ」と「クレプスキュール」です。「オーマガトキ」は言うまでもなく「逢魔時」 から来ていますし、「クレプスキュール」はフランス語で「黄昏」とか「薄暮」という意味です。
 と、何やら衒学的な始まり方ですが、何のことはな い、要するにお馴染共有池で撮った夕景写真へと導く導入文でした。もう何度載せたのか分からないほどなので、ちょっと変化をつけてみた次第。ただし池を 撮ったものではなく、タイトル通り夕空を撮った写真です。雲の切れ間から放たれるオレンジ色の光芒、オレンジ色の空を背景に立っている鉄塔。やはり共有池 から望む夕空は独特の美しさを持っています。
 それにしても、光芒は上から下に射している場合は宗教的な荘厳さを感じますが、光が上を向いている とまた違った感覚を覚えます。サーチライトを連想するのか、何かを指し示しているようにも感じますし、暗闇を突破したブレイクスルーの感覚もあります。上 向きと下向きで感じ方が違うというのは面白いですね。

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